第12回不動産市況DI調査(令和3年(2021年)12月6日公表)

2021.10.01

Ⅰ. 調査の概要
 令和3年10月1日を基準とし、過去半年(令和3年4月1日~令和3年10月1日)の不動産市場の推移に関する実感と、この先半年(令和3年10月1日~令和4年4月1日)の不動産市場の動向に関する予測について、(公社)石川県宅地建物取引業協会会員に対しアンケート調査を実施し、(公社)石川県不動産鑑定士協会が石川県不動産市況DIとして集計、分析したものです。
なお、本アンケート調査は、毎年4月と10月の年2回実施します。
(発送数:971 有効回答数:275 回答率:28.3%)

Ⅱ. 本調査の地域区分
 本調査では、石川県内を下記の通り区分し、アンケート調査を実施しました。
また、区分した各地域を下記の【区分名】のように称することとし、記載にはこの区分名を用いています。

【区分名】
1.【奥能登地区】輪島市、珠洲市、能登町、穴水町
2.【能登地区】七尾市、志賀町、羽咋市、宝達志水町、中能登町
3.【県央地区】金沢市、かほく市、内灘町、津幡町、野々市市
4.【手取川地区】白山市、川北町
5.【南加賀地区】小松市、能美市、加賀市

Ⅲ. 回答者の属性
 回答者の属性の詳細は本文(p.1参照)記載の通りです。

Ⅳ.集計結果の概要
(1) 地価動向(県全体)について

① 住宅地
●今回(令和3年10月1日時点)の県全体の地価動向DIは+8.2ポイント、前回(令和3年4月1日時点)と比べると12.3ポイントの改善となった。なお、前回時点における半年後の予測値は▲17.7ポイントとなっていた。
●半年後(令和4年4月1日)の予測は、今回調査時点と比べて9.8ポイント悪化した。コロナ変異株による感染が拡大したこと等、依然として先行きに対する不透明感が根強いことが要因と推察される。
●地域毎で見ると今回調査時点の地価動向DIは手取川地区が最も高く+30.8ポイント、また最も低かったのは奥能登地区の▲40.0ポイントであった。
●金沢市は、第10回調査で▲8.9ポイントとコロナの影響を受け、初めてのマイナスに転じた後、前回第11回調査で横ばいが大半を占め±0.0ポイント、今回は上昇傾向が強く+8.9ポイントとなった。小松市は第9回より±0.0ポイントが続いていたが、今回は▲16.7ポイントとなった。白山市は第9回+33.3ポイント、第10回▲16.7ポイント、第11回+25.0ポイント、今回は+50.0ポイントとなっている。
●半年後については、奥能登地区・南加賀地区が改善しているものの、いずれもマイナスとなっている。また能登地区・県央地区・手取川地区では予測値が悪化となった。

② 商業地
●今回(令和3年10月1日)の県全体の地価動向DIは、▲32.2ポイントであり、前回(令和3年4月1日)と比べると8.2ポイント改善した。なお、前回時点における半年後の予測値は▲36.5ポイントとなっていた。
●半年後(令和4年4月1日)の予測は、今回調査時点と比べて2.7ポイント改善した。コロナワクチンの接種が広まり、人流が増えることへの期待感によるものと推測される。
●地域毎で見ると今回調査時点の地価動向DIは手取川地区が最も高く▲8.3ポイント、また最も低かったのは奥能登地区の▲75.0ポイントであった。
●金沢市は、第1回調査以来、第9回調査時までプラスであったが、前々回の第10回調査時点でコロナ禍の影響を受け、初めてのマイナスに転じた。その後、前回第11回調査で▲43.9ポイント、今回も下落傾向との回答が多く、▲28.9ポイントとなった。なお、半年後の予測は▲17.0ポイントとなっている。依然として下落傾向が強いものの、マイナス幅は縮小しており、回復への期待感が現れているものと考えれれる。小松市は今回▲20.0ポイント、半年後は±0.0ポイントと予測されている。白山市は今回+25.0ポイント、半年後は±0.0ポイントと予想されている。
●半年後については、奥能登地区・県央地区・南加賀地区で改善、能登地区・手取川地区で悪化と予測されている。

(2) 石川県全体の不動産市場の動向
① 土地・新築戸建

●実感値は▲11.7ポイントと前回調査に比べ4.7ポイントの改善。
地域毎では、能登地区が最も高く+11.1ポイント、また最も低かったのは奥能登地区の▲40.0ポイント。
半年後については、奥能登地区・県央地区・手取川地区・南加賀地区が改善、能登地区が悪化と予測されている。
② 中古マンション
●実感値は▲14.7ポイントと前回調査に比べ10.1ポイントの改善。
半年後については、奥能登地区・手取川地区が横ばい、能登地区・県央地区が悪化、南加賀地区が改善と予測されている。
③ 中古戸建
●実感値は▲12.3ポイントと前回調査に比べ8.3ポイントの改善。
地域毎では、南加賀地区が最も高く+13.0ポイント、最も低かったのは手取川県央地区の▲22.2ポイントであった。
半年後については、奥能登地区・県央地区が改善、手取川地区が横ばい、能登地区・南加賀地区が悪化と予測されている。

Ⅴ.不動産賃貸市場の動向等、その他詳細については、下記本文をご参照ください。