第15回不動産市況DI調査(令和5年(2023年)6月19日公表)

2023.04.01

Ⅰ. 調査の概要
 令和5年4月1日を基準とし、過去半年(令和4年10月1日~令和5年4月1日)の不動産市場の推移に関する実感と、この先半年(令和5年4月1日~令和5年10月1日)の不動産市場の動向に関する予測について、(公社)石川県宅地建物取引業協会会員に対しアンケート調査を実施し、(公社)石川県不動産鑑定士協会が石川県不動産市況DIとして集計、分析したものです。
なお、本アンケート調査は、毎年4月と10月の年2回実施します。
(発送数:978 有効回答数:237 回答率:24.2%)

Ⅱ. 本調査の地域区分
 本調査では、石川県内を下記の通り区分し、アンケート調査を実施しました。
また、区分した各地域を下記の【区分名】のように称することとし、記載にはこの区分名を用いています。

【区分名】
1.【奥能登地区】輪島市、珠洲市、能登町、穴水町
2.【能登地区】七尾市、志賀町、羽咋市、宝達志水町、中能登町
3.【県央地区】金沢市、かほく市、内灘町、津幡町、野々市市
4.【手取川地区】白山市、川北町
5.【南加賀地区】小松市、能美市、加賀市

Ⅲ. 回答者の属性
 回答者の属性の詳細は本文(p.1参照)記載の通りです。

Ⅳ.集計結果の概要
(1) 地価動向(県全体)について

① 住宅地
●今回(令和5年4月1日時点)の県全体の地価動向DIは+28.1ポイントであり、前回(令和4年10月1日時点)と同じ数値であった。なお、前回時点における半年後の予測値は+11.1ポイントとなっていた。
●半年後(令和5年10月1日)の予測は、今回調査時点と比べて14.1ポイント悪化し+14.0ポイントとなった。物価の上昇等、先行きに対する不透明感が影響しているものと推察される。
●地域毎で見ると今回調査時点の地価動向DIは手取川地区が最も高く+46.7ポイント、続いて県央地区が+41.3ポイントであった。また最も低かったのは能登地区の▲58.3ポイントであった。
●金沢市は、前々回調査での+41.1ポイント、前回調査での+45.0ポイントに引き続き、今回調査においても+44.7ポイントと、依然として上昇基調となっている。また、小松市においても、前回調査での+25.0ポイントに引き続き、今回調査においても+25.0ポイントとなった。
●半年後の予測値については、、能登地区・南加賀地区が改善している。一方、奥能登地区・県央地区・手取川地区では、予測値が悪化している。
※その他の詳細は、p.7~11参照。

② 商業地
●今回(令和5年4月1日)の県全体の地価動向DIは、+25.0ポイントであり、前回(令和4年10月1日)と比べると9.7ポイント改善した。なお、前回時点における半年後の予測値は+9.7ポイントとなっていた。
●半年後(令和5年10月1日)の予測は、今回調査時点と比べて10.1ポイント悪化し+14.9ポイントとなった。ウィズコロナの下で観光需要等が回復傾向にあるものの、先行きについてはやや慎重な見方も影響しているもの推察される。
●地域毎で見ると今回調査時点の地価動向DIは県央地区が最も高く+41.6ポイント、手取川地区で+16.7ポイントとなった。一方、能登地区は▲45.5ポイント、奥能登地区は▲100.0ポイントと、県北部については下落傾向が顕著になっている。
●金沢市は、前回調査時点の+25.5ポイントから上昇幅が拡大し、今回調査において+55.3ポイントとなった。また、半年後の予測は+30.0ポイントとなっている。小松市は前回調査時点の+33.3ポイントからやや悪化し+28.6ポイントとなったが、半年後の予測は+50.0ポイントとなっている。
●半年後については、能登地区・南加賀地区で改善、奥能登地区で横ばい、県央地区・手取川地区で悪化と予測されている。
※その他の詳細は、p.7、8、12~14参照。

(2) 石川県全体の不動産市場の動向
① 土地・新築戸建

●実感値は▲10.6ポイントであり、前回(令和4年10月1日)と比べると10.8ポイントの改善となった(なお、前回時点における半年後の予測値は▲9.2ポイント)。
地域毎では、手取川地区が最も高く±0.0ポイント、また最も低かったのは能登地区の▲28.6ポイント。
半年後については、県央地区・南加賀地区が改善、奥能登地区・能登地区が悪化と予測されている。
② 中古マンション
●今回(令和5年4月1日)の県全体の市場動向DIは、▲12.8ポイントであり、前回(令和4年4月1日)と比べると15.0ポイントの改善となった。(なお、前回時点における半年後の予測値は▲14.0ポイント)
半年後については、県央地区が改善、能登地区・手取川地区・南加賀地区が悪化と予測されている。
③ 中古戸建
●今回(令和5年4月1日)の県全体の市場動向DIは、▲5.8ポイントであり、前回(令和4年10月1日)と比べると4.9ポイントの改善となった。(なお、前回時点における半年後の予測値は▲0.5ポイント)
半年後については、県央地区・手取川地区が改善、奥能登地区・能登地区・南加賀地区が悪化と予測されている。

Ⅴ.不動産賃貸市場の動向等、その他詳細については、下記本文をご参照ください。